*1月2日に花巻市の胡四王神社の蘇民祭に参加した太田さん
謹んで新春のご挨拶を申し上げます。今年の春から、私も「里の人」となります。これまでにも幾度か里に滞在しましたが、グループホーム第1をはじめとする皆さんの一方ならぬお世話になっており、改めまして感謝申し上げます。
さて、年明けの2日、ご近所の胡四王神社にて開催されました蘇民祭に参加して参りました。胡四王さんは古くから花巻に鎮座ましますお社で、言うなれば、この土地の主のような神さまです。この北の地に、先祖代々生まれては死んでいった肉体たちに順繰りに宿りながら、不滅の燈明のように受け継がれていった「地霊」のようなもの、この土地の魂のようなものを私は思い浮かべます。それは、目には見えない大切な守り神なのでしょう。
私は、これから花巻の地に移り住むに当たって、まずは土地の神さまへのご挨拶が不可欠と考え、蘇民祭に加えて頂きました。山上に参集する「裸参り連」の一員として、餅つき・水垢離・神事の数々をお勤めさせて頂きました。それから、もう一つとても重要なことですが、今後お仲間となる銀河の里の全ての皆さんの平安無事を、陰ながら祈願させてもらいました。
どうやら、胡四王さんは、よそから移住する私を、北の大地に住まう人群れの新参者の一人として、受け入れて下さったようです。荒くれの若衆たちに入り混じり蘇民袋の争奪戦にも加わりましたが、怪我一つ負わず無事にお祭りを終えることができました。私は胡四王さんの護符を頂戴し、銀河の里にはお土産として「蘇民将来」のお札を持ち帰りました。ご利益あらたかな守護符だと信じます。勝手ながら、これを里での舞踏家としての「初仕事」と私は思っています。
舞踏する者として里の営みに加わることの意味を、重ねて考えます。自分の肉体をどのように役立てることができるでしょうか。障害のある方々やお年寄り、スタッフの皆さんの日々の暮らしの中に舞踏を組み込んでゆくならば、どのような結果を生むことでしょう。例えば、歩行困難な方が自力歩行できるようになったり、隠れた笑顔を再び輝かせたり、私にお手伝いできることがあるでしょうか。皆さんに寄り添って、一緒にこの肉体を働かせたい・・・。舞踏家として負うべき使命に想いを巡らせるのは、夢に満ちた楽しいことです。
きっと、先輩の皆さんが培ってこられた豊かな経験にお助け頂くことになるでしょう。非力ですが、体を張って真摯にチャレンジを重ねる覚悟であり、何卒宜しくお願い申し上げます。