2016年08月13日

試食販売から見えた兆し ★ ワークステージ 米澤 充 【平成28年5月号】


 昨年の7月から販売が始まった「冷凍シウマイ佐助豚」は、パッケージのデザイナー、料理研究家の先生、プランナー、バイヤー等の協力のもと、一年以上の開発期間を経て完成した自信作だ。この焼売は岩手県二戸市産の佐助豚の旨みを活かすため、化学調味料、アミノ酸、保存料は一切使用しておらず、子供でも安心して食べる事ができる商品になっている。化学調味料特有のくどい感じはなく、やさしく繊細な味に仕上がっているため、体が受け入れてくれる感じで食べられるのが特徴であり、東北や関東のスーパー、百貨店等でも評判を得ている。
 発売から今年4月までの9ヶ月間の集計では、累計43回の店頭試食販売を実施し、1パック8個入り商品を、対面で2,450パック(一回の販売で平均57パック)販売したことになる。例えば一人が2パック購入したと考えて、約1,200人のお客様と対面して販売した計算になる。さらに試食だけだった方を含めると、たくさんの人と出会っている事になる。今まで事務作業を中心に行ってきた私からすると、これは貴重な体験であり、非常に刺激的であった。食を通じて多くの方々と出会いコミュニケーションが取れるという事は、試食販売の特権であるように感じた。

 試食販売では販売する店舗、地域、天気、催事などによって客層や客数がかなり変化する。一日に130パック販売できる時もあれば、一日頑張っても10パックも売れない時だってあった。ありがたいことに「美味しい」と言っていただける方が大半だったが、「横浜中華街から取り寄せている焼売の方が美味しいわ」や「ほかの冷凍品の方が味がしっかりして良いわ、そっちの方が安いし」と言われたことあって悔しい思いもした。人の好み、特に食の好みに関しては人それぞれであるため、万人に受け入れられるものを作るのは本当に難しいと感じる。
 ただ43回の試食販売を通じて、お客様の中には、ただ焼売(食材)を買いに来ているのではなく、買い物を通じて、販売する私やさらには製造者ともコミュニケーションを取ろうとしている方がおられる事に気づいた。その事に気づいてからは「今日の目標は何パック売ろう」とは考えなくなり「今日はどんなお客様とどんなコミュニケーションができるかな」と思うようになった。やりとりを楽しめるようになると、その結果、何度も行く店舗では顔見知りとなったお客様から「お兄ちゃん、また買ってくよ!がんばってね!」と声をかけられるようになってとても嬉しかった。インターネットで簡単に何でも買える時代に、こういったコミュニケーションを体感できるのは、対面販売ならではのことで、それだけでも意味のあることだと感じた。
 試食販売では小さな子どもが食べに来ることも多く、「美味しい!」と大きい声ではしゃぎながら、母親に試食を持って行って食べてもらう場面が何度もあった。私も親として我が子が美味しそうに食べている姿は嬉しい。そういう商品を提供できる事がとても幸せに感じる。

 今後、私の目標としては、店頭でのコミュニケーションの能力に磨きをかけ、食卓に里の焼売が並ぶ事で家族の会話が弾んだりする場面が想像できるような、大袈裟に言うと食卓のライフスタイルの提案ができるような試食販売ができるようになりたいと考えている。
 販売から間もなく一年が経過するが、おかげ様でリピーターが増えてきているようで、発注も定期的に入っている。また、関東の大手百貨店の定番商品として店頭に置かれることも決まった。これまでやってきたお中元・お歳暮企画も予定している。10年以上も焼売を作り続けているワーカーさん達も、販売の結果や販路の展開を伝えると、一緒に喜んでくれた。そうした姿に励まされ、私は次の試食販売への元気をもらったりしている。
 競合相手に大手メーカーも並ぶ。「福祉施設の授産製品」という甘えは一切通用しない。今後、生産体制や衛生管理を更に徹底し、一人でも多くのお客様に「美味しい時間」をワーカーさんと共にがんばって届けていきたいと思う。


posted by あまのがわ通信 at 12:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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