2014年10月15日

アップルカフェを開催して ★ケアマネージャー 板垣由紀子【2014年10月号】

 先日9月27日(日)に、銀河の里の交流ホールで、第一回アップルカフェを、お試しで開催しました。一日、自由に出入りできるカフェスタイルで、銀河の里のデイサービスとショートステイを利用されている方にご案内をしました。認知症カフェは、昨年からオレンジプランの中で取り組みが始まっており、それぞれ地域の特徴を活かして独自のスタイルで全国的に行われています。認知症のご本人とその妻が、支援団体の協力で月に一回レストランをひらいているケースや、認知症の専門医が中心になって、ケアマネや、介護のスタッフとボランティアで月一回開催するケースなど、様々な取り組みが始まっています。
 銀河の里では、障がい者部門のワークステージの惣菜班、畑班、厨房班がコラボして、野菜や惣菜の販売と、銀河の里の米や野菜を使ったお食事を用意しました。普段は介護している方が、カフェにきて、思い思いの時間が過ごせたり、ちょっと預けて用足しに出かけたり、誰かと気軽に話せて、出会えたりする場になったらいいなと考えています。
 これまでアップル会議で出た声の中にあった、「どこに相談していいかわからない。窓口で、介護者支援プログラムに誘われてもなかなか気軽には行けない」そんな悩みも解決できたらいいなと思います。
 当日は、開店間もなく、「毎アルを見たい」とリクエストをくださる家族さんがおいでになりました。「家の用事もあったけど、時間をもらってきました。いつもは夫が介護しているけど、休みの日は私も手伝えればと思って」と、アップル会議にも関心を持っていただいて嬉しく感じました。平日は参加できない人もあって日曜日に開催した甲斐がありました。
 また、「母に行く?と聞いたら、行く、と言うので来てみました」と親子で来店され、デイサービスのスタッフと、娘さんを交えてくつろいで行かれた方もありました。デイのスタッフからも、普段なかなかお会いできない家族さんと、ゆっくり話せてよかったとの声もありました。デイのスタッフが子供を連れて参加してくれたのは、とても効果的で、子供がいるだけで場が和みます。御家族と一緒に来ていたデイの利用者の正雄さん(仮名)も、御家族の方は施設を見学に行かれ、正雄さんひとりでカフェに残って、子供の遊ぶのを見ながら自然と顔もゆるんで、おじいちゃんの顔になっていました。いつの間にかテーブルにはおもちゃが広げられて人が集まっていました。
 今回のカフェは6組の方が来店され、特養とグループホームからも参加があり、カフェは賑やかに盛り上がりました。「まずやってみよう」とはじめた今回のカフェでしたが、子供と認知症の方の繋がる力に助けられた感じです。これからの高齢化時代に地域を創っていくのは、この力が大きいだろうと感じました。子供は、はじめは警戒して、母親から離れないでいても、そのうち自然に遊び始めます。怖がって逃げていたかと思っていたら、いつの間にか一緒に遊んでいたりします。その周りに、笑顔で見守る大人達がいる。そうした風景が地域になくなってしまいましたが、認知症の人たちの力をかりて、認知症カフェがそうした繋がりとやりとりを取り戻せる場所になったらいいなと感じました。
この日、カフェを終えた帰り、ある保育園の前を通ったら、知り合いのお母さんが子供を連れて歩いていたので車を降りてお話をしました。そのとき園庭に親子がいて、子供がこっちに近づいてきたので、「いくつ?」と声をかけると、その子は「3歳」と応えたので、しばしおしゃべりをしていました。ところがその間、その子のお母さんはスマホに集中していました。お母さんは、スマホを終えて立ち上がるやいなや、その子を呼んで、会釈の挨拶もなく帰って行ってしまいました。20代の若いお母さんだったと思います。若い世代の親たちは、スマホで繋がることはできても、目の前の人とは出会えなくなっているのでしょうか。これから高齢化し認知症の人も増えていく地域を考えるとき、子供達や、その親の世代の協力はとても大切なことと感じます。
今回カフェを開いてみて、これから地域に必要なのは、認知症の人を軸に、子供や障がい者、地域の元気な高齢者も含めて、誰もが集まり交流できる場ではないかと感じました。実際に何ができるか、何が必要か、参加してくださるみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
posted by あまのがわ通信 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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