2013年11月15日

東京研修レポート ★厨房 畑中美紗【2013年11月号】

【1日目】
 東京に研修で出かけた機会に足立区役所のレストラン“ピガール”に行ってみた。
 区を上げて日本一の給食を目指しているという足立区は、『おいしい給食プロジェクト』に取り組んでいる。以前は給食未納問題や、給食を残す生徒が多く、給食の人気はなかったが、この取り組みをはじめてから、生徒の給食満足率90%以上、足立区の生ごみの中で最も多い給食の残菜が年間340トンを110トンに減らすことを実現したという。
 学校給食と施設の給食とでは違だろうが、何か参考になることがあるかな・・・と思って尋ねてみた。区役所の14階にあるレストランで、実際に給食が食べられるのだが、限定30食の上に、人気で開店前から行列ができる・・・。そんなだから食べることはできなかったが、盛りつけられた給食メニューは見ることができた。色合いが良く、見た目の印象から食材が生きている感じがした。里では付けあわせるブロッコリーやいんげんも、火を入れすぎたり、きれいな色にならず食材をうまく生かしきれていないんだな・・・と改めて感じた。
 市役所の中に『おいしい給食課』という部署があり、そこで話を聞いてきた。それぞれの学校の栄養士さんが残食率を調べ、調理法を工夫している。化学調味料を使わず、だしは天然のものを使う、プロを呼んでの給食提供、栄養士同士の会議など、さまざまな工夫がなされていた。各学校に栄養士がいて定期的に集まりをもつことで、それぞれが刺激を受け、さらに上を目指していけるというお話だった。里の厨房でも、献立は私、祥さん、仁美さん、三者三様でそれぞれにこだわりがあるし、それぞれの思いがある。二人の献立を見ていると、このメニューはおいしかったから自分の献立にも入れてみようとか、ここはもっとこうした方がいいんじゃないかとか、お互いが刺激し合ってよりいいものを目指している。また、現場に栄養士がいて、給食を一緒に食べ、残食の様子がダイレクトに分かる。この野菜の切り方は高齢者には辛かったな、ちょっと量が多かったな、少なかったかなというのがすぐわかる。
 おいしいという要素はいろんなことがある。戦う栄養士と言われる、佐々木十美さんの話にもあったが、『食べる対象が子供だからと相手に媚びることなく、本物を提供する』というのを、里の厨房でももっと意識していきたいと思う。いつか機会があれば、佐々木十美さんにもお会いしてみたい。

《 林英哲コンサート 迷宮の鼓美術少年 》
 今回の研修のメインは、林英哲のコンサートだ。去年、英哲風雲の会が銀河の里にいらしてコンサートを聴いたが、とても感動した。その師匠の林英哲さんはどれだけすごいんだろう、いつか本物を観てみたいと思っていたが、今回早々にその機会がやってきたので、行く前からどきどきしていた。
 コンサートでは本当にただただその迫力に圧倒された。言葉ではうまく言い表せられないけれど、英哲さんが太鼓に向き合った時の後ろ姿がすごいオーラを放っていて、太鼓の音にも重みがあるというか、なにかを語っている感じがした。
 途中途中で英哲さんの語りが入って『荒波の中、ここから立
ち上がれるのか?まだやれるのか?』というようなセリフがあったが、私たちに語り、訴えかけているようで自分自身に言い聞かせているような、還暦を迎えてもまだ自分はこんなものではない、まだまだこれからだ!というさらに上を目指そうという勢い、力強さを感じた。その語りが終ったあとに、英哲さんが客席に背を向け太鼓に向かって歩いて行くのが、すごく印象的だった。太鼓の前に来て、太鼓に向き合い、すっと見つめ、太鼓に語るような後ろ姿が、心にじんときた。歪視の航路、『どちらの道に進んでいてもどちらも正しい道だった。この年になればわかる・・・』という語りもとても印象的だった。長年やってきたことが今やっとわかる、英哲さんが語るからこそすごく重みがある。
 今回の公演の資料で、英哲さんが影響を受けた人が芸術家の横尾忠則さんだという事を知り驚いた。同じ分野でさえ、目標とする人に対して自分がどのくらいの位置までやれているか、というのはなかなか分かりかねるのに、違う分野の人に影響を受けて目標を目指すのは、ゴールが尽きないような感じがして、だからこそ、さらに上を目指して高みに行くとこができるのかなと感じた。

【2日目】
 2日目は、午前中は、念願の築地市場に行った。海の匂いと市場の活気の雰囲気だけでワクワクした。八戸のイカや岩手の松茸など、東北の食材が並んでいることも嬉しかった。普段なかなか見られない食材もいっぱいあった。里芋ひとつにしても、里芋・石川芋・海老芋などさまざまな種類があったり、栗も見たことないくらい大きくて立派なものが高値で売られていたり。生ウニも、私たちが普段みるウニとはつやとか色が全然違っていた。なかなか見られない金目鯛が小ぶりではあったが刺身用のものがあったので、自分用のお土産に購入した。
 その後、浅草を散策した。浅草のトレードマークともいえる雷門のちょうちんは台風の影響で壊れたため、代わりにプロジェフターを映すようなボードに描かれて飾られていたのが残念だった。私は布のちりめんの柄が好きで、ちりめんがいろんな小物に使われているのを店頭で見ているだけで楽しかった。浅草ではうなぎ屋さんで昼食を食べた。
 浅草を出てスカイツリーに行き、プラネタリウムを見た。すごい迫力で、スクリーンが動いているのに自分が動いているような感覚になって、フワフワしながら見た。ゆったりした感じがすごく心地よくて、東京に来ていることも忘れて、世界にどっぷり浸かって見入ってしまった。
 最後に、学問の神様の湯島天神に行って、資格取得のお守りを買ってきた。今年こそ管理栄養士の試験を突破したい。これからさらに勉強に力を入れていきたい。

 2日間、いろんなものに触れて、感じて、自分にとってすごく刺激のある研修だった。あっという間に時間が過ぎてしまって、岩手だけでは経験できないことばかりだったので、すごく貴重な時間を過ごせて本当に充実した2日間になった。これを仕事だけじゃなく、これからの自分の生活や生き方にも活かしていけるようにしたいと思う。
ありがとうございました。


posted by あまのがわ通信 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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