2010年08月15日

北海道ツーリング 〜当麻町かたるべの森を目指して〜 ★ワークステージ 米澤充【2010年8月号】

 7月17日〜7月19日の連休を利用し、同僚の佐々木哲哉さんと北海道まで行ってきた。目的は当麻(とうま)町にある福祉施設を見学するためと、毎日追われている農作業から一旦離れ、日頃の疲れを癒す旅でもあった。北海道上陸まではバイクをフェリーに積み、道内はバイクで移動した。理事長や哲哉さんの影響を受け、昨年の10月に衝動的に中型二輪の免許取得、バイクの購入まで至った。旅行の立案当初はツーリングはやっぱり北海道!というノリだったが、今回の旅行で得た物は予想以上だった。

 小学生時代の夏休み、3年連続で家族と北海道旅行をしたことがある。有名な場所(最北端や水族館、ラベンダー畑など)の記憶が少々あるだけで、細かい記憶がほとんど残っておらず、親からも「行かせた甲斐が無い」と言われる程だ。車で移動した事もあり、目的地から目的地というように点と点を物理的に移動していた感じで、さらに当時にしては珍しく車内にはテレビが付いていたため、移動中は風景を見ずにテレビを見ていたせいだと思う。それに比べバイクは、風やにおい、気温などの自然を肌に感じる事ができ、点と点ではなく、線として移動している感覚がある。歩道に植えてあったラベンダーの香りが、ヘルメット内を良い香りで満たしてくれて感動的だった。また牛舎から香る臭いで北海道にいる実感をさらに強めた。

 北海道を移動中に広大な畑をたくさん目にした。その広さに驚いたのにはもちろんの事、岩手と違い、畑の周りに民家が少なく、畑と畑の間に○○ファームと書かれた建物があるくらいで、ずっと畑なのである。銀河の里で耕作している畑の面積とは比べ物にならない広さを目の当たりにし、私はおせっかいながら後継者問題が気になり、自分の立場と比べながらその大きな畑の間に挟まれた広い道路を移動した。
 私の家では田んぼとリンゴ畑を合わせて2町歩程あるが、万が一何かしらの理由で農業を辞めても、近所から「米澤さんちで辞めたっけじゃ」と言われる程度で、田畑を荒らさないように草刈りをしていれば特に問題がないように思う。しかし広大な面積を抱えている場合“辞めます”の一言で済むような問題ではなく、家族内での問題、周囲への影響、従業員の事、辞めた後の土地の活用などなど…、思わぬ所で農業について考えさせられた。

 さて、今回の目的地である「社会福祉法人 当麻かたるべの森」は旭川町の北東に位置する当麻町にある障がい福祉サービス事業を展開する施設である。今回尋ねる事になった経緯は、15年前、まだ銀河の里が生まれていない頃、理事長と施設長が訪れて意気投合して夢を語り合ったという“かたるべの森構想”が何だか銀河の里と同じような匂いがして興味を持ったためである。(かたるべの森の設立経緯などについては今月号の横井氏のゲスト記事もご参考ください。)
 本体施設“ギャラリーかたるべプラス”では施設長の横井氏に熱っぽく我々を迎えていただいて、経緯など聞かせていただいた。横井氏が抱いていた開設までの構想、それを実現させたエネルギーの凄さに驚き、今の自分の非力を感じた。
 ギャラリーかたるべプラスでは喫茶スペースやパン工房などを備え、利用者の作品が展示されている、とても素敵な空間であった。かたるべの森では週に一日、創作の日が設けられており、利用者が絵を描いたりする芸術活動に力を入れているという。
 その後、ギャラリーかたるべプラスから4,5キロ離れた場所に移動し、山林を購入し得たという22ヘクタールもの広大な土地を見せていただいた。そこは森の中で、木工作業用の建物や陶芸作業用の建物、さらにメモリアルホールと呼ばれている音楽ホールなど、芸術活動をサポートするための環境が整ってあった。
 さらにそこから数キロのところには、廃校を改修し今年5月に完成したばかりの“かたるべの森美術館”があった。ここは利用者が芸術活動で描いた絵や陶芸等の作品が教室や音楽室などをうまく利用し展示されていた。展示作品には銀河の里の利用者が描く絵に雰囲気が似ている作品も多くあり、こういう風に作品として展示できたらいいなぁと、その学校まるごと美術館になっている環境がうらやましく思った。
 ワークステージの利用者の中にも作品を生み出すアーティストがいる。かたるべの森のように芸術活動の日が設けられているわけではないが、自主的に絵を描いては持ってきてくれる。このあまのがわ通信で絵を連載している村上幸太郎君もその一人だ。そんな彼らの作品は、ごく一部であるがワークステージ内や特別養護老人ホーム内に展示されてはいるが、それはほんとに氷山の一角で、展示されていない多数の作品の展示方法に悩んでいたため、かたるべの森美術館というアイディアはとても参考になった。展示作品を購入したいという声もあるらしく、私も欲しくなる作品があった。絵を一目見てファンになってくれる人っているんだと気がついたし、絵と利用者がセットで作品となる事も実感した。利用者が持つキャラクターをどう表現するかは、ワークステージ銀河の里の課題の一つでもある。
 日曜日だったので実際の利用者の作業風景は見ることが出来なかったものの、刺激的でパワーを感じる人物にふれるだけでも感動的なものがあった。また銀河の里の活動を伝え、共有し、話し合う事ができた喜びもあった。私自身、職業指導員として、また広報担当として、貴重な闘志に刺激を得ながら、かたるべの森には“森”があるように、銀河の里には“里”があると実感した。


posted by あまのがわ通信 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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