2011年12月15日

古巣で新たな出会い ★特別養護老人ホーム 加藤祥子【2011年12月号】

 11月に部署移動になって、担当してきたユリ子さん(仮名)と離れなくてはならなくなったのが辛かった。ユニットで私を支えていてくれた大きな存在であったことを改めて感じた。異動先のユニット「ほくと」は古巣ではあったが、以前のような作業に追われ、人への関心やつながりを考えない空気は浄化され、利用者もスタッフもそれぞれ不思議なオーラを出している「ほくと」・・・というイメージで、不安と楽しみを持ちながらの再スタートとなった。
 いざ入いると、やはり勝手がちがって利用者のことが分からない。申し送りの情報ではピンとこない。その人に応じた介助方法は自然と体が覚えるが、その人がどんな人で、どんな生活スタイルなのか、何を思い、何をしたがっているのか、それがわかるには関係ができなければならないので時間がかかる。利用者ひとりひとりにスタッフがどんな思いで関わってるのかも知りたい。利用者は、自分から思いを発信してくれる人もいるが、こちらがアプローチして、そのやりとりから何かを感じ取るしかない人もある。前者は、自分の気持ちを語ってくれるので理解も早く関わりやすいが、後者は、言葉のやりとりだけではなく、行動や表情などから、推測してイメージを作っていく感受性を必要とする。早く把握したいと焦るがそう簡単にいくことではない。
 同様にスタッフも、あまり関わったことがない人たちが多く、そちらにも神経を使う。きっと相手もそうだろう・・・その感じが伝わってくる。話したくても、情報が欲しくても、バタバタとする感じに声をかけにくい。目で追ってもつながらない。どう考え、どう感じているのか、それぞれ持っているはずだがうち解けにくい。「ほくと」はショートの入退所が多く、バタバタしやすい。でもそれだからこそ、直接関わっていなくても、意識したり、見守ったりするまなざしが必要だと思う。スタッフ全員がバタバタと動くと、それぞれの視野が狭くなり利用者が置き去りになりやすい。リビングにだれか居て見ていて欲しいな・・・ふと周りを見ると誰かが見ていてくれると安心するのにな・・・と思う。
 私自身、人見知りが激しく、すぐに打ち解けられるタイプではないので、時間が必要なのだが、現場はすでに回っている。利用者やスタッフと繋がれない不安は大きな壁になる。このもどかしい気持ちを抱えたまま悩んでいると頭がガンガンと痛くなってしまった。
 そんな時、ショート利用のミホさん(仮名)に出会った。ミホさんはほとんど居室で過ごし、食事も居室でとる人だ。夕食を下げに居室にお邪魔した時、「なんだか調子が悪いようですね」と声をかけてくれた。「夕方から頭が痛いんです」と答えると「あなたは考えすぎて頭が痛くなったんですよ。考えてもなるようにしかならないんだから、あんまり考えすぎないの。」と言ってくれた。私のモヤモヤを感じてくれたのか、優しく私に言葉をくれた。その通りだよな・・・不安と緊張ばかりで、自分らしさもない。重くのしかかっていたものが軽くなったようでこの言葉にとても救われた。ミホさんは、居室で過ごしながらも見ていてくれたんだな・・・と思った。
 ミホさんの世界に触れて、なんだか楽しくなってきた。どんどん気になる人になっていく。ミホさんは、「ほくと」の中でも会話が豊かで人気のある人だ。始まったばかりで分からないことも多いが、ミホさんとの出会いから始まって行くのだと思う。バタバタしても、それに負けたくはない。利用者に目を向けてスタッフとチームを作りたいと思う。それは簡単なことではなくても、悩み考えながら「ほくと」で私自身も成長していきたい。


posted by あまのがわ通信 at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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