2011年05月15日

総勢50名!銀河リンゴ植樹式 ★ワークステージ 米澤充【2011年5月号】

 4月14日に特養ホーム北側にあるリンゴ畑で、リンゴの植樹式を行った。昨年4月に100本のリンゴの苗を植樹したうち、枯れてしまった苗を植え直すのと、リンゴ園の面積拡張による植樹を合わせて40本の苗を植えた。昨年の半分以下の本数ではあったが、天気にも恵まれ、車椅子の利用者も外に出るなど全部署から集まった職員・利用者はなんと50名以上にもなる大イベントとなった。 リンゴ栽培2年目を迎えたワークステージのリンゴ班は、元自衛隊員の職員、嶋さんの軍隊式指示のもと、植樹式に向けて苗を植える穴を掘ったり、支えとなる杭を打ったり、園地を掘って出てきた石ころ(というより直径50cm以上もある岩!)を片付けたりと、さすが2年目だけあってその慣れた手つきは頼もしい限りだった。植樹式当日も苗木を倒れないように支えたり、土かけや肥料かけなど、地味ではあるが裏方として活躍してくれた。 今年の植樹式では心も体も動いた利用者がいる。リンゴ栽培の経験者でもある特養入居者の桃子さん(仮名)と祥子さん(仮名)は、昨年の植樹式では建物の中からの見学で終わってしまったが、今年は二人とも植樹式を前に昨年とは様子が違った。植樹を聞いて二人はそれぞれの思いで特養建物内から外へ出るきっかけとなったようだ。グループホームに入居していた頃の桃子さんは、グループホームの裏にある畑で鍬を持ってガンガンと畑作業をしていた印象が強い。その姿は若いスタッフに引けを取らず生き生きしていたのだが、特養に入居されてからは「足が痛いから…」「すぐフラフラする」などと畑作業に誘っても外に出る事が少なくなっていた。ところが植樹式の話を聞いてから、外に出る機会が多くなった。外で歩く桃子さんと偶然会って、なぜ毎日歩くのか尋ねると「弱ってしまった足腰を鍛えるため」と答えた。どうやら去年の田植えで、足がふらついて田んぼにバッシャーン!と倒れてしまったのが桃子さんにとってよほどショックだったようだ。植樹式に備えて2週間、足腰を鍛える桃子さんの姿を毎日目にした。一方、リンゴ園を一望できるユニット「すばる」に入居している祥子さんは、植樹式開催の旨を伝えると「本当にあそこさリンゴ植えるのか?あったな土じゃリンゴおがらねんだじゃ」といつものように厳しい指摘。しかし目の前に広がるリンゴ園がやはり気になるようで「私ここに来てから(銀河の里に入所してから)この畑を眺めているけど、いっこど実はならないし、草ばっかりおがってるし。この前外に出て見てきたけど、やっぱりあの土じゃねぇ〜。大丈夫かしら…」と気遣ってくれた。“畑の先生”の異名を持つ祥子さんからもらったその言葉は、なんだか特養敷地内でのリンゴ栽培を認められたかのようで嬉しかった。 植樹式当日、桃子さんの植樹式に対する意気込みは服装にも表れ、花柄の上下の作業着に、首には手ぬぐいを巻き、新しい手袋をつけてまるでお手本のような完璧な農業スタイルで決まりすぎていた。カチカチに固まった粘土つちに大変ではあったが、鍛えた足腰のおかげで植樹式の土かけをこなす事ができたようで、桃子さんも満足した表情だった。祥子さんは1本1本愛情を込めながら丁寧に土かけをしているのが印象的だった。祥子さんは若い頃嫁にきてからというもの、旦那さんとリンゴ栽培をしてきたので、その大変さは分かっているはず。だからこそ、何十年と稼いでくれる1本の木に対し赤ちゃんをなでるように優しく土をかけていたのだと思う。植樹式ではあまり言葉を交わさなかったが、“畑の先生”が見せてくれた丁寧な土のかけかたに学ぶものは多いと感じた。 昨年植えた苗木のうち、秋に枯れかけていた木が、周りの木に比べ弱々しいものの懸命に葉を伸ばし、花も咲かせようとがんばっているので何とかしたい。昨年は20本も苗木を枯らせてしまった。「粘土つちだから排水が悪い」「猛暑のせいで雑草が伸びすぎ、草に負けた」などと環境のせいにして、その環境を変える努力はしていなかった事を悔やむ。リンゴ畑に隣接した特養老人ホームは珍しいし、昔リンゴ栽培に携わっていた利用者も多い。この環境を生かし、リンゴ栽培を植樹や収穫のイベントだけに終わらせないようにしたい。3年後には立派な実を収穫できるよう、リンゴの木とともに成長していきたい。
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日本海ドライブ ★グループホーム第2 佐藤万里栄【2011年5月号】

 5月9日晴れ。この日、98歳を迎えた豊さん(仮名)の誕生日ドライブを決行した。目的地は秋田県の男鹿半島、日本海を見渡す鵜ノ崎。
 豊さんの誕生日は3月で、当初の計画では沿岸の海に行くつもりだったが、地震で中止になり、のびのびになったまま誕生日を祝えていなかった。私としてはなぜか広々とした海を一緒に見たいのだが、沿岸は津波で壊滅的な被害でそれどころではない。
 ケアプラン会議で、海に行けなくなったと嘆いたのだが、ならば田沢湖か十和田湖でもいいのではないかと言う話しも出て、私もそうするつもりだった。でもどこか腑に落ちない。理由は自分でもわからなくて、説明もできないのだが、なぜかたくさん水のある場所に行きたかった。しかも湖くらいの水の量では足りないような気がしていた。囲まれた水、溜まった水ではなく、果てしなく広がる水、やはり海に私は豊さんと行きたいのだった。
 「どういうイメージなの」と理事長が聞く。砂浜が広がっていて、海辺まで行けて、広い海が見渡せてと並べる私。「じゃあ日本海まで行こう。男鹿半島だ」「えっそんなところ行けるんですか」といいながらその瞬間「98歳と日本海」とタイトルが飛び出してきた。
 私にとっては生まれて初めて見る日本海。豊さんと行ってみたい。豊さんなら連れて行ってくれると確信できた。主任スタッフの美貴子さんも絶対行ったらいいと押してくれた。家族さんにも電話すると「車で走るだけでも道中楽しいと思います」と後押ししてくれた。迷いはなくなった。
 3月まで豊さんの担当だった詩穂美さんも参加してくれることになり、誕生日ドライブ参加者は豊さん、理事長、詩穂美さん、私の4人の万全の体制で出かけることになった。
 普段、午前中寝ていたりして目覚めの悪いことも多い豊さんだったが、当日は朝からぱっちり目を開けて起きてくれて、10時に出発。道中、後部座席で豊さんは、足を組んでキャラメルを食べたり、お茶を飲んだり。ときたま思い出したように「ここはどこだ?」と確認して、かぶった帽子を直して眠ったりしている。
 高速道路を走ること2時間弱で昭和男鹿インターを降りて、しばらく走ると海が見えてきた。「豊さん!海!海!」とはしゃぐ私の横で、そ知らぬ顔の豊さん。男鹿駅を過ぎたあたりで海が目前に迫ってきた。名勝鵜ノ崎海岸。「豊さんついたよ。日本海だよ」「ほかー」という豊さんを車いすに移し早速砂浜におりた。風は少し冷たいが陽射しもあるまずまずの天気。海辺の豊さんは車椅子に乗っていたが、立ち上がって歩く意欲満々。補助すると、海に向かってガンガンと歩いて海水にすっかり入る所だった。すんでのところで両脇を引き留めたおかげで靴が濡れただけで助かった。その後、砂浜に3人で座ってしばらく海を見ていた。
 「豊さん海見えるか〜?」と一緒に来てもらった詩穂美さんと聞くと、首だけで「うん」と答える豊さんは、海のほうを眺めて、またうつむく。潮風が心地いい。
 目の前は、見渡す限りの海原。これだ、イメージ通り、こんな場所に豊さんと一緒に来たかった。豊さんなら、きっと連れてきてくれると思った。
 豊さんの誕生日になぜ海だったのかはわからないけれど、間違いはなかったと確信できる。根拠はないけど、思いは満たされた。「98歳と日本海」はこの先私の人生に刻印され続けるだろう。いつになく元気で表情も豊かで、ピースの呼びかけにも答え、裏ピースをしてくれた豊さんの姿も、日本海をバックに写真に納めた。
 鵜ノ崎海岸を後にして、近くの海鮮市場で4人で海鮮丼を食べた。お刺身もご飯もパクパクほおばる豊さん。普段はソフト食なのに…不思議だなぁ。
 帰りの車の中では、私も豊さんもぐっすり寝てしまった。目がさめると、花巻が近づいていた。途中、私が差し出した手を豊さんは握ってくれて、里に着くまでそのままでいてくれた。一緒に行ってきた感じが強く残った。
 ありがとう豊さん。「98歳と日本海」は迫力があった。
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今月の書「辿」 ★特別養護老人ホーム 山岡睦【2011年5月号】

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目に見えぬ不安と闘いながら
目に見えぬ思いに支えられる

長い長いこの道のりの先に

少しずつ
でも確実に進んでいくこの未知の先に

あるはずの未来を信じて




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うどん作り ★ワークステージ 村上幸太郎【2011年5月号】

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★餃子・焼売の皮も自家製造していますが、丸く切り抜くため、クッキー作りの型抜きのように、切れ端が出てしまいます。その切れ端をもう一度こねて伸ばし、包丁で縦長に切る事でうどんが出来ます!食感もなかなかのもので、給食や職員売りでは好評をもらうほど。切れ端も無駄にはしない、エコな惣菜班です。
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