2004年10月15日

稲刈り【2004年10月号】

 今年は台風などによって稲が倒されてしまい、刈るのに苦労しましたが、若い力でなんとかその稲を起こし、無事に稲刈りを終えることが出来ました。
 今年も、農作業の中では、若者と高齢者の自然な形での交流が見られたような気がします。必死で作業をする若者、そして、それを見守り、時に指導する高齢者。お互いその姿はどう映ったのでしょうか。意図的に作られる交流の場ではなく、このような自然な形での交流は、「世代間交流」という単純な言葉ではおさまらない、より深い交流がそこで行われている様な気がします。


 稲刈りの時、ふと考えた。今自分達はコンバインで稲刈りをしている、と。
コンバインで稲を刈るのが今は当たり前だが、コンバインというものがなかった時代、人はどれぐらいの労力を費やしていたのだろう。一株一株の稲を鎌で刈るというのは、かなり大変なことである。さらには、稲を刈り終えてからも、いろいろな作業があったはずである。それが今はコンバインのみである程度こなすことができてしまう。
 私は大学時代、ある博物館で実習をしたことがある。そこで見たものは、倉庫に積まれたたくさんの農機具だった。今は、必要とされない農機具が、そこにはたくさん置かれていた。確かに、一見価値のないようにも思えた。だが、その農機具を使い、農作業を通して、人々がどのように生きていたのだろうと想像したとき、それらが何かを伝えようとしているのではないかと感じた。
 そう感じたことを、思い出した自分。今の自分は、何かを通して生きていることが出来ているだろうか。田んぼに囲まれ、秋の匂いを感じつつ、ふとそう考える自分がそこにいた。
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今月の短歌・俳句【2004年10月号】

手が熱くなるって こういう事なんだぁ

ナスの花 みてふときづく ナスすがた

あたたかい 心の中まで あたたかい つながるその時 顔見合わせるだけ

波立ちぬ 湖みつめし あなたの姿 我が水面に浮かびてゆれる

言の葉を もらいて咲きたる 色無き花 我が筆で 色をつける
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戸來【2004年10月号】

 「イグネの木」って聞いたことありますか?先日、私(戸來)の実家(二戸)から栗が送られてきました。皆で栗ご飯でも食べようと栗をひろげるとKさんが「イグネの木でなったんだべ。家の宝送ってくれたんだ。」と。よく聞くと「イグネの木」というのは、屋敷の周りの樹木の事なんだそうです。昔はどの家々でも柿や栗、グミの木など植え、砂糖が貴重だった頃は特に大切に食べられていたそうです。「そんな大切なものを送ってくれたんだよ」と言うKさんの言葉は、なんだか私への両親の思いを代弁しているかのように聞こえてしまいます。世代を超えて、その時代の背景、慣習、その人の思いや価値観を聞きながら、学ぶこと、私の心に響くことはたくさんあると改めて感じます。里の周りには、柿やシャグミ、といったイグネの木がたくさんあります。次はどんな出会いがあるのか楽しみにしたいと思っています。
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